お釈迦さまがこの世におられた当時、雨季には、歩くだけで多くの生き物を殺生してしまうため、外に出て修行する事ができませんでした。よって、修行僧達が寺に集まるようになったのですが、これを「安居」といいます。そして、安居の制を結ぶことを、「結制」とも呼びます。
そして、結制中、自ら修行僧の中に入り、合わせて先頭に立って指導する役職を、「首座」と呼ぶようになりました。文字どおり、修行僧の中での筆頭であり、住職の隣に坐り、その補佐をしながら修行するため、そう呼ばれたのです。
なお、お釈迦さまが霊鷲山においてお弟子の迦葉尊者にご自分の席を半分ゆずって説法を許されたという故事にならって、住職に代わって仏道の肝心なところを、修行僧に説法する儀式が出来ました。それを、説法の際に持つ払子を振るうことから「秉払」といいます。そして、徐々にこの儀式が実用的になり、首座と修行僧達とで激しい問答を行うようになりました。
この様子を、首座が法を戦わせることから、「首座法戦式」といい、現在でも各地の曹洞宗寺院で行われているのです。
今回、雲龍寺 住職の弟子 正衛和尚が無事に首座法戦式を終えることができました。
本師として大雄山最乗寺に拝承し、山内の皆様に感謝の意を述べられました。雲龍寺へ正衛和尚が戻られたら、皆様どうぞよろしくお願いいたします。